クレニオセラピー(頭蓋骨調整法)
「生命の水」と呼ばれ、血液・リンパ液につぐ第三の体液である「脳脊髄液」の流れを正常化することを目的としたセラピーです。
米国のDr.アンドリュー・テイラー・スティル(Andrew Taylor Still)により創設された「オステオパシー*」の1つで優しく触れることで「クラニオセイクラル・システム*」の働きを整え、中枢神経の働きを促進して身体が本来持つ自然治癒力を高めようというものです。
全身は繋がっており、お互いに交流しながら私たちの身体は動いています。そして脳と身体の各細胞は病気の原因と身体を治す方法のどちらも知っています。それが自然治癒力です。この自然治癒力を心と身体から効率よく引き出す方法がクレニオセラピーです。
呼吸に合わせた柔らかい圧で頭蓋骨やデコルテに優しく触れ、「脳」・背骨で守られている「脊髄」・中枢神経系を包み込んで保護している「髄膜」の柔軟性を高め、身体の奥の緊張やこわばりを弛めていきます。緊張やこわばりがとれると脳神経が活性化し、脳内だけでなく中枢神経全体が解放されます。その結果、神経系統も沈静化され、免疫やホルモンバランスが整っていきます。
脳脊髄液は脳や脊髄を保護したり、栄養分を運んだり、毒素を取り除く役割を果たしています。それが一定のリズムで後頭骨から脊髄を経由して仙骨まで伝わっていきます。(このリズムは海の波のリズムと同じという説があります。)
脳脊髄液は常に増減しており、その変化で頭蓋骨は呼吸をしているかのように動きます。そして脳を守っている頭蓋骨は大きさの違う15種23個の骨から出来ており、頭蓋骨のつなぎ目(縫合)はほんのわずかですが、常に収縮と膨張を繰り返しています。頭蓋骨の歪みでその動きやリズムが崩れると脳脊髄液の流れも悪くなり、脳や脊髄を保護したり、栄養を運んだり、毒素を取り除くことができなくなります。結果、むくみ・たるみ・代謝不良などの美容障害だけでなく、自律神経の乱れ、免疫低下などの健康障害にも繋がっていきます。
また頭蓋と仙骨は中枢神経を覆う硬膜で繋がり、呼吸で動かされています。頭蓋骨の働きは骨盤の中心にある仙骨まで伝わり、全身に大きな影響を与えています。また頭蓋骨内にある脳は身体の各細胞と神経繊維により連絡することで全身をコントロールし、各細胞の記憶もまた脳の記憶に影響を与えています。(私たちの身体の中にある神経組織の約80%は脳が支配しています。)
脳脊髄液の流れやリズムを整える為には頭蓋骨を整えることが必要となり、正常に働くと免疫力や自然治癒力が高まっていきます。
<脳脊髄液の働き>
脳や脊髄の保護 (クッションの役割)
栄養の運搬
毒素や老廃物の排泄
※脳脊髄液
<クレニオセラピーの目的>
脳脊髄液の循環促進
筋肉を包む筋膜のバランス調整
神経系統の沈静化
<クレニオセラピーの効果>
排泄機能アップ。代謝の良い身体作り。
血行促進。身体の奥からほぐれ、冷えやコリのない軽やかな身体作り。
自律神経、ホルモンバランスの正常化。身体と心の緊張を解放。
―― オステオパシーとは
骨のみを調整する手技とは異なり、骨格などの運動器系、動脈・静脈・リンパなどの循環器系、脳脊髄液の循環を含む脳神経系など、解剖学的あるいは生理学的な広範囲の医学知識を元に手を使って治療を加えるテクニックです。
―― クラニオセイクラル・システムとは人間の身体はいくつものリズムを持っています。想像しやすいのは呼吸や心拍ですが脳脊髄液の流れるリズムもその一つです。
①わずか125ml(コップ一杯分)の脳脊髄液は頭蓋の内側から脊柱管を通り仙骨まで達する硬膜管という管の中を満たしています。その中には人間の生命・精神活動を司る中枢神経(脳と脊髄)が収まっています。
②血液から脳脊髄液が作られ、硬膜管に送り込まれてシステムを循環し、古くなった液は静脈に戻されます。
③脳脊髄液は外部の衝撃から中枢神経を守ったり、中枢神経に栄養を与えたり、老廃物を排出する役割をはたしています。
④英語で頭蓋はクラニアム、仙骨はセイクラム。クラニオセイクラルワークは主に硬膜管が通る頭蓋(クラニアム)から仙骨(セイクラム)までのラインに働きかけていくことからつけられた名前です。
⑤クラニオセイクラルシステムは身体の中にこのように収まっています。
※全身は筋膜を介してつながっており、お互いに交流しながら私たちの身体は生きています。一部位の歪みは他の部位の歪みへとつながっていきます。その為、効果の持続性を考慮し、お身体との同時施術をお奨めしております。